第13回エシカルインタビュー <いばらきコープ生活協同組合(小美玉市)>

茨城県内のエシカルな取組を紹介する「エシカルインタビュー」。
今回は、いばらきコープ生活協同組合を訪ね、「コープのエシカル」、SDGsにつながるコープデリグループの「4つのプロジェクト」、そして「いばらきコープ環境基金」についてお話しをうかがいました。
いばらきコープ生活協同組合では、持続可能な商品開発やエシカルな消費行動の啓発などを通し、誰もが笑顔で未来につながることを目指した活動を続けています。

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常務理事・川端志乃さん(左)、理事・鈴木礼子さん(中央)、総合企画室次長・篠崎勉さん(右)

「コープのエシカル」について

茨城県公認VTuber茨ひよりの「『エシカル消費』って『推し活』みたい」のPOPが店頭で案内するのは、「コープサステナブル」商品。統一のロゴマークが目印になっています。

現在、サステナブルな原料を使った商品には多様な認証マークが付けられ、購入の際、店頭で戸惑うこともしばしばです。そこでコープ(日本生活協同組合連合会)では2021年2月から共通のロゴマーク「コープサステナブル」を付けて、サステナブルな商品を分かりやすく選びやすくすることで、エシカル消費を後押ししています。

「海の恵みを未来に残す『海の資源を守る』、森と共生する農園から生まれた商品や貴重な紙資源を再利用した『森の資源を守る』、環境負荷の少ない農法で栽培された『オーガニック』、製品本体の主原料がサステナブルな『リサイクル材使用』の4つのテーマがあります。それぞれのテーマはマークの下に書かれていますので、ぜひチェックしてください」と、常務理事の川端志乃さん。

「コープサステナブル」は、「コープのエシカル」の一環で、この取り組みは店頭や宅配で配布される情報誌「ときめきスマイル」でも紹介されています。コープでは、エシカル消費を「誰かの笑顔につながるお買い物」として、お買い物にエシカルな視点をプラスすることで、「地域」「環境」「社会」「人々」の未来をより良く変えられることを伝えています。

「価格だけで選ばれる時代ではなくなりました。安心安全な品質に加え、SDGsにつながる商品に価値を感じ、またそれらを購入するエシカル消費という自身の行動に価値を感じる消費者が増えました。これからも『コープサステナブル』マークを広く知っていただくことを通して、エシカル消費の啓発を続けていきたいと思います」と、川端さんは昨今の消費行動の変化を語ってくれました。

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「商品開発には組合員の声が生かされているんですよ」と、「コープサステナブル」のロゴマークが入った商品を見せながら解説する鈴木礼子さん。

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「コープサステナブル」のロゴマーク。海・森・大地・リサイクル材使用の4つのテーマがあります。

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「いばらきコープ」の店頭では、「エシカルいばらき」のPOPも目印になっています。
※店舗により掲出状況は変わります。

コープデリグループの「4つのプロジェクト」について

コープデリグループでは、商品の利用を通じた持続可能な社会の実現を目指し、「美ら島応援もずくプロジェクト」「佐渡トキ応援お米プロジェクト」「お米育ち豚プロジェクト」「ハッピーミルクプロジェクト」の4つのプロジェクトを実施しています。

「美ら島応援もずくプロジェクト」は、沖縄県伊平屋島産のもずく商品の売り上げの一部を「美ら島応援基金」に寄付し、島の美しい自然環境を保護する活動に役立てています。
「佐渡トキ応援お米プロジェクト」は、新潟佐渡コシヒカリ商品の売り上げの一部を「佐渡市トキ環境整備基金」に寄付し、環境に優しい佐渡米づくりや生きものを育むための環境づくりに役立てています。
「お米育ち豚プロジェクト」は、飼料用米を配合した餌を豚に与え、美味しい豚肉を届けることで日本の米づくり、畜産業を支えています。
そして、「ハッピーミルクプロジェクト」は、コープの牛乳の売り上げの一部をユニセフに寄付し、アフリカの子どもたちの栄養改善を支援しています。

「『美ら島応援もずくプロジェクト』と『佐渡トキ応援お米プロジェクト』は今年で15年を迎えます。
4つのプロジェクトは、持続可能な産地づくり、生物の多様性の保全、そして国際貢献など多岐にわたります。コープはもともと『助けあい』の組織です。これからもこの精神のもと、誰一人取り残さない持続可能な社会の実現に貢献していきます」と、総合企画室の篠崎勉さん。

「いばらきコープ環境基金」について

「いばらきコープ環境基金」は、県内において環境活動を行う団体や個人に対して資金的な援助を行う助成事業で、2000年から開始され、現在も続いています。これまでに延べ941の団体や個人に、総額6,013万円を助成してきました。

「組合員は、エコバッグという言葉が浸透する前からマイバックを持参するほど環境に関しての意識が高く、独自に環境活動を行ってきました。しかし、自分たちだけでは活動に限界があります。もっと環境活動を地域に広げるにはどうしたらいいかと考えたとき、県内で活動する多数の団体や個人の方を資金的に支援しようと当時の環境活動推進委員会の皆さんから提案があり実現しました」と、語る組合員理事の鈴木礼子さん。

「いばらきコープ環境基金」は、来年で25周年を迎えます。開始当初は30件に満たない助成数でしたが、今では毎年40件を超える助成数となっています。

「基金には事業費に加え、回収したペットボトルや飲料紙パックなどの売却益をあてています。
また、助成された活動はいばらきコープのホームページで紹介していますが、それが活動の周知につながると喜ばれています。
これからは、いばらきコープの発信力を生かしたサポートもしていきたいと思います」と語る鈴木さん。

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(左)森林整備などの緑化推進活動。

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(右)エコカルタを使った環境学習。

写真は「いばらきコープ環境基金」の助成事業の一例。

今後の展開について

「コープサステナブル」や「コープデリ『4つのプロジェクト』」の展望については、「いばらきコープとして商品開発に直接的に関わることはありませんが、組合員の声が大きく生きるのがコープの商品づくりなので、エシカル消費についての情報発信を積極的に行い、組合員の皆さんの意識づけを後押ししたいと思います」と、川端さん。

「いばらきコープ環境基金」の今後については、「『いばらきコープ環境基金』は、さらに広めたいですね。助成を受けるための申請も難しくはありません。例年10月1日から11月30日まで募集しています。ぜひ環境基金事務局となる、いばらきコープ総合企画室までお問い合わせください」と、篠崎さんが身を乗り出してアピールしてくれました。

日々の暮らしになじみ深いコープを起点に、エシカルの輪が広がる未来が見えるようです。

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組合員向けのSDGs・エシカル消費についての小冊子や「コープサステナブル」商品を前に。

●いばらきコープ生活協同組合 総合企画室
アクセス 茨城県小美玉市西郷地1703
電話番号 0299-36-7266
HP  https://ibaraki.coopnet.or.jp/

県内のコープ店舗
https://ibaraki.coopnet.or.jp/contact/service/shop.html